「2035年ガソリン車廃止」急加速するEVシフトの“不都合すぎる真実”

EVの方が省エネだとは全く言えない
朝香 豊 プロフィール

実はガソリン車の方が“省エネ”

さて、現状のEVバッテリーの問題の多くを解決してくれる切り札として、「全固体電池」に注目が集まっている。

確かに全固体電池が実用化できれば、安全性は高まるし、温度の高低を問わずに動作するなどのメリットは大きい。こうしたことから全固体電池への期待は非常に大きいが、これが自動車などに用いる大型バッテリーで実現できる目処はまだ立っていない。固体電解質のため、リチウムイオンの移動抵抗がどうしても大きくなってしまう問題が残り、この解決は簡単ではない。

三洋電機でずっと電池の開発を担当してきた雨堤徹氏によると、全固体電池の研究は最近始まったものではなく、30年前からすでに研究の花形だったという。30年間研究してきて、大型のバッテリーで実現できそうなブレークスルーには至らなかったというのが実際のところだ。

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そもそもハンデを付けなければ製造コストはガソリン車の方が圧倒的に安い、という原点を見失ってはならない。

これはガソリン車の方が製造にかかるエネルギー消費が小さいこと、すなわち“省エネ”であることを意味する。走行中だけを見ればEVのエネルギー消費はガソリン車よりも小さいが、製造から廃棄までをトータルで見ると、EVの方が省エネだとは言えないところがあるのだ。

以上のような問題を考えた場合に、消費者がガソリン車の利便性を捨ててみなEVに流れるかというと、甚だ疑問である。今後、EVが普及していくにつれ、EVのデメリットはどんどん見えやすくなっていくはずだ。

EVを普及させたい側は、自動車の未来はEVに決まっているとの宣伝を強めていくのだろうが、日本の自動車メーカーも私たち消費者も、こんな宣伝に簡単に踊らされてはならないのではないか。

 

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