2021.08.12
# 介護

「クソ兄貴のせいで、お父さんが…」介護をしていた父が自殺、20代半ばの娘を待つ「過酷な運命」

筆者は認知症の祖母と、ガン・脳梗塞を患い、その後も原因不明の症状で入退院を繰り返した母親を持つ、若者多重介護ケアラー9年目になります。

数年前から若者介護問題について、執筆活動をはじめ講演やメディア出演などで伝えており、昨年12月9日には『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』(株式会社法研)を出版しました。

今回は、20代前半の若さから30代後半まで15年間、父親が「肝臓がん」と「うつ病」、母親が「肝硬変」を患い、ダブル介護を経験した若者ケアラー、ミユキさん(仮名)の壮絶な体験談をご紹介します。

複雑な家族関係、要介護者の両親が65歳未満で介護保険適用外の場合、経済的困窮に陥る、仕事や結婚など人生の転機に大きな影響が出るといった課題が浮かびあがります。

Photo by iStock
 

複雑な家族関係で、介護の負担が集中

ミユキさんが小学生の頃、父親と母親が離婚しましたが、2人は年に何度か会い比較的良好な関係でした。

しかし父親は、ミユキさんが23歳の頃、「肝臓がん」を患い手術が必要になり仕事をクビになってしまいました。ミユキさんが「お父ちゃん、私が働いてなんとかするからね」と言うものの、頑なに拒否。「娘に手術費を支払わせて迷惑や心配をかけたくない」という父親のプライドや優しさでしょう。

ミユキさんには、兄がいましたが、介護には協力しませんでした。それどころか、兄は30歳を過ぎるまでろくに働かず、借金まで作ってしまう始末……。

筆者には、弟と妹がいますが、介護を手伝おうとしません。若者介護に陥る原因の一つに複雑な家族関係が絡んでいることは、往々にしてあります。

ミユキさんの兄は、「父ちゃん、一時的にお金貸してくれないかな? 必ず返すからさ」と頼みました。ミユキさんは、「兄を甘やかしちゃダメだってば。20歳を過ぎれば大人、死に物狂いで働けばなんとかなるんだよ」と猛反対。ところが、父親は人一倍優しい性格で、兄にお金を貸してしまったのです……。

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