もちろん、データ上でいくら少ないからといって、女性の加害事件や男性が被害者になる事案を軽視してはいけないというのは大前提である。その上で、こうして男性の方が重要犯罪に手を染める率が圧倒的に高い社会において、男性が自身の嫉妬に気づかず、しかもその嫉妬の対象が女性であった場合の危険性というものは、男性自身が心に留めておいてもいいのではないか。

男性も感情表現をしていい
嫉妬に限らず、孤独や悲哀といった弱みを男性は表に出さないのが美徳だという古い風潮は、なおも消えずに残り続けている。さすがに昔ほど「男は強くあれ」「男なら泣くな」などと言われなくなってきてはいるだろうが、「女は嫉妬深い」「女は感情的」という言説は未だに耳にする。
そうした声が、弱みを見せる男性の感情表現を恥ずべきものや、または存在しないものだと感じさせている可能性は十分にあるだろう。そうやって表に出されることのないまま抑圧された感情が時に怒りとなり、場合によっては暴力になってしまうのは恐ろしいことだ。
全ての男性がそうした道のりをたどるわけではないし、僕自身だって今はかつての愚かな考えは持っていないはずだ。だからこそ、今後も偏った考えにとらわれないためにも、この記事に書いたことを男性たちと一緒に考えていきたいと思っている。
自分が男性であることを申し訳なく思うのではなく、男性らしさに苦しめられずに生きていけるように。