2021.10.25
# ドラマ

「朝ドラ」で記憶に残る作品は? 2000人が選んだ「名作ランキング」ベスト10を大公開!

木俣 冬 プロフィール

主人公の壮絶な人生が話題に

第2位:おしん(1983年度・520票)

「ストーリーが衝撃的だった」のは「おしん」。今年亡くなった脚本家・橋田壽賀子の傑作ドラマ。山形の貧しい小作の家に生まれたおしん(小林綾子、田中裕子、乙羽信子の3人が成長するにつれて順に演じた)が東京、佐賀、伊勢……と住む場所を転々とし、関東大震災、太平洋戦争と未曾有の出来事をくぐり抜けながら生き抜いていく姿を力強い筆致で描いた。

第2位の「おしん」(NHKオンデマンドホームページより)
 

当時の熱狂ぶりは凄まじく、おしんの幼少時、貧しい中で苦労する姿に同情した視聴者がNHKに米を送ってくることがあったという。また、田中裕子が演じた青年期には、嫁ぎ先の姑の嫁いびりの酷さに姑役の俳優に抗議がきたりもしたとか。それだけ国民が没入して見た迫真のドラマであり、最高視聴率は62.9%を記録し、アメリカ、中国ほか世界各国でも放送された。

自分がいかにぬるま湯の中で生きていたかを知ったので(60代以上男性)

幼少期のおしんの暮らしや待遇がかわいそうに思えたから(50代男性)

再放送で見て、いつハッピーエンドになるのかと思ってたらずっと見る羽目になっていた(50代女性)

おしんの生涯があまりにも波乱万丈なため、投票理由も物語の壮絶さをあげるものが散見される。今ならしんど過ぎて見るのが辛いと視聴者が目を背けそうなつらい出来事の数々を当時の視聴者はなぜ夢中で見ていたのか。

放送時、日本経済が安定成長期に突入していたため、日本が苦労していた時代を思い出すようにと橋田は「おしん」を書いたという。その意に反して、豊かに暮らす日本人には別世界をエンタメとして楽しむ余裕があったのだろう。

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