不登校の問題に20年携わり、自らも不登校だった過去を持つ『不登校新聞』編集長の石井志昂さん。夏休み明け前後は、小中高生の自殺が増え、親は子どものSOSに気をつけたい時期だと話す。
昨年、小中高生の自殺者数が過去最多になった。だが実は、上半期だけで見ると、過去最多の昨年よりも今年のほうが自殺者数が多いことが分かったと石井さんはいう。コロナ禍で続く自粛生活や猛暑のために行動が制限されることが多く、今までよりもさらにストレスが溜まりやすい生活が続く。
学校で蓄積された悩みを発散するすべもなく、孤独を募らせていく子どもは多いが、そんな中で、親はどうしたら子どものSOSに気づけるのか。そのとき、どう対処すべきか、石井さんに教えていただいた。
苦しんでいる子のSOS
夏休み明けは、不登校や子どもの自殺が多くなるため「注意が必要だ」と知られるようになってきました。親としては、子どもが追い詰められる前にSOSに気づきたいと思うもの。ところが「子どものSOS」はどんな形で出てくるのかは、あまり知られていません。もっと言えば、子どもからのSOSはわかりづらいものです。「学校へ行きたくない」とハッキリ訴えるケースなどは少ないものです。

そこで今日は、私が聞いてきた「学校で苦しんでる子のSOS」を、ご紹介します。
子どものSOSとして代表的なのは「体調不良」「情緒不安定」「食欲不振」「宿題が手に付かない」「不眠」の5つです。
前半の3つは想像がしやすいと思います。「体調不良」は、学校へ行こうと思うと頭痛や腹痛がする、体調を崩しやすくなるというもの。「情緒不安定」は、一日中イライラしている、頻繁に甘えてくる、すぐ泣くなど。「食欲不振」は、そのままの意味で食欲が落ちるため、大好きなものでも食べ残したりする状態です。このような状態があるときは、心のバランスを崩している可能性があります。