2021.08.13

2300万円で「地方移住」した夫婦、二人を襲った「思いがけない悲劇」

悠々自適のはずだったのに…

最近よく耳にするようになった「老後の住み替え」。FPの長野郁子さんによれば、住み替えには「自己実現型」と「現実型」の二種類があるという。「自己実現型」の典型である、共働きで子供のいないAさん夫妻は、定年後、自宅マンションを売ってN県に引っ越した。趣味の山歩きをして楽しく過ごしていたが、そこで思わぬ事態に見舞われる。

【前編】「自宅を売って2300万円で「地方移住」した夫婦、わずか3年で「家を失った」ワケ

妻からの相談

転居から3年が経った頃、夫のAさんが脳梗塞で救急搬送された。幸い軽かったので後遺症もなく1月ほどの入院で自宅に帰ることができた。

この時点で私に妻のNさんからFP相談があった。

「私はペーパードライバーで運転はもっぱら夫だった。今回の入院時は仕方ないから、地元タクシーを使って病院がよいや買い物をした。雪かきもやり切れないので管理事務所にお金を払ってお願いした。その支出を考えると、もし再発したらと考えるとここでの生活はやっていけないと思う。どうしたらよいか?」

という相談だった。

〔PHOTO〕iStock
 

幸い、妻の退職金と自宅を売ったお金があったので私は撤退を勧めた。夫は回復したこともあり年齢的にも70歳前「オレはまだまだ大丈夫」と言ったが、妻の説得で渋々了承した。結局、こだわった家は築数年しか経っていないのに半値にしかならなかった。

そして入院した総合病院のあるN県の県庁所在地に妻の退職金で小さな中古の家を買って住むことになった。今後、介護施設に入居することになったとしても便利な一軒家なら売却してもいいし、貸してもいい。買い物は徒歩圏、病院にもバスで通える。旧宅から見えた山並みが少し遠くなったけど見えるそうだ。

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