つい夫にプレッシャーをかけてしまい

しかし、時には夫との間に不穏な空気が流れたことも何度かあったというだいたさん。そんなときはある“方法”で夫婦関係の破綻を防いだという。

「タイミング法は夫婦仲が悪くなることがわかりましたね。排卵日近くになると、早く帰ってこいよって、ついプレッシャーをかけてしまうんですよ。それに、男性は病院に行けば、すぐに妊娠できると思いがち。なので、これははっきり言わないと分からないということは、しっかりと話し合いをしました。それでも、喧嘩することはありました。そんなときは、良い物を食べさせていましたね(笑)。人間、喧嘩していてもお腹が減るわけで。美味しいご飯を食べたらリセットできるんですよ。どんどんスープの腕前がうまくなっていきました(笑)。あったかいスープを飲めば、喧嘩なんか忘れます」

だいたさんなりの夫婦円満の秘訣を聞いて、なるほどなと、思わず納得してしまう。夫婦喧嘩ほど不毛な戦いはなく、お互いが感情的になる前に美味しいごはんでリセットするのはどの夫婦でも役立ちそうだ。

もうひとつ、働く女性にとって不妊治療で欠かせないのは会社の理解だ。勤務先への対応はどうすればいいのだろうか。

「私は体外受精にステップアップした時点で、所属する吉本興業にしばらく休みたい旨を伝えました。体外受精になると、連日の注射が必要になってくるので、難しいなと思ったので」

不妊治療の保険適用が認められ、今後、社会の整備は進んでいくと思われるが、まだまだ、会社側の理解が進んでいない一面もある。仕事と治療の狭間で悩んでいる女性に対し、だいたさんはこうエールを送る。

「お金は取り戻せる可能性がありますが、若さは取り戻せません。女性としての限られた時間を後悔しないように、行動したほうが後々の人生が変わってくるんじゃないかなと思います。

私は子供が一番という優先順位でしたので仕事をきっぱり休ませてもらいました。自分の人生の中で何が大事なのか、自分が取りに行きたいものがあるならば、1取りに行くものがあったら99捨てる覚悟じゃないと、欲しいものがつかめない時があるんですよ。

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経済的な問題で働かなくてはいけないのも確かです。でも、今後、保険適用も進みますし、不妊治療は特別な治療ではなくなる。それまでの間に自分の身体のコンディションを整える。そうやって妊娠に向けて心がけるだけでも違ってくるのではないでしょうか。これから、社会が変わってくれるのではないか、そう私は信じています」

仕事を休み、妊娠に向け準備を整えていただいたさん。しかし、次なる試練が待ち受けていたのだ。――乳がんの発覚である。

後編<40歳で乳がんが発覚しただいたひかるが、それでも「妊娠」をあきらめなかった理由>では、だいたひかるさんの乳がんとの闘病と、子供をあきらめるか否かの葛藤について伺った。