柔和な微笑みの奥に潜む、冷たさのない鋭さ――。芝居にバラエティに情報発信と、タレントや俳優がマルチタスクを必要とされる時代だが、話していると、未来の変化に縦横無尽に対応していきそうな磯村さんのポテンシャルの高さが伝わってくる。最後に、「10代の時にイメージしていた20代後半の自分には近づけていますか?」という質問をぶつけてみると、少しおどけた表情をしてから、こう答えた。

「いやぁ、それが全然違うんですよ。10代の頃にイメージしてた成功って、とにかく女の子からキャーキャー言われることだったので(笑)。行く先々でファンの方に揉みくちゃにされるみたいな……。でも、最初の泣かず飛ばすだった時代から、成功のイメージもどんどん変化していって、20歳ぐらいから、ただ芝居をちゃんとできればいいと思うようになりました。

結果論ですが、いまはこれで良かったなってつくづく思うんです。お芝居をコンスタントにやらせていただいているのが一番ありがたいことだなって。だから、いま一番いい感じなんじゃないかなと思いますね。日々、未来の誰かに伝えたいと思うようないろんな感情やアイデアが湧き上がっていて、ネタ帳のネタも増える一方です」

-AD-

オゾン監督は、自身が10代の時に感銘を受けた小説を、50代のいまになって最高純度のラブストーリーとして映画化し、ノスタルジックな色彩の16ミリフィルムに収めた。いつか遠くない未来に、磯村さんの“感情の原点”を、映画の中で観る日が来るのかもしれない。

写真:山本倫子
磯村勇斗
1992年9月11日生まれ。静岡県出身。主な出演作に、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、『今日から俺は!!』、『きのう何食べた?』、『恋する母たち』、大河ドラマ『青天を衝け』、映画『ヤクザと家族 The Family』(Netflixにて配信中)など。現在映画『東京リベンジャーズ』が全国公開中のほか、ドラマ『演じ屋』(WOWOW)、『サ道2021』(テレビ東京系)が放送中。また12月には舞台『泥人魚』への出演が控えている。

Summer of 85』は8月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開
(C)2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES
配給:フラッグ、クロックワークス

ヘアメイク:佐藤友勝 スタイリスト:齋藤良介