2021.08.24
# 英語

いま日本の「英語教育」に訪れている大きな危機…「4技能」試験見送りはなぜ問題か?

今年の7月、文部科学省は2025年以降の大学入学共通テストで英語民間試験の導入を正式に断念した。英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価するために民間試験の活用を検討していたが、経済的・地域的な格差の問題を解消できず、見送られることになった。
しかし、4技能試験の見送りは、日本の英語教育が遅れをとる原因になると、英語塾キャタルの代表・三石郷史氏は指摘する。英語力、ひいては国際競争力の低さを助長しかねない今回の決定の問題点とは……。

海外も心配する、日本の現状と未来

「Japan needs to take bold action. (日本は大胆な行動をしなくてはいけない)」

私が2020年、MIT在籍時に最も衝撃を受けたのは、経済学の教授たちが債務問題と人口減少を主な理由に、日本の将来を強く憂慮していることでした。10日間に渡る、マクロ経済的視点から世界各国の置かれている状況を考える授業の中で、日本のことは何度も議論に上がりました。

そして日本の英語教育についてRoberto Rigobon教授が「Japan needs to take bold action. Everyone has to speak English.」と笑いながら私に言ってきたことは今でも忘れられません。

写真提供:株式会社キャタル(以下同)
 

日本人の英語力が今後改善されなければ、日本の国際競争力はますます下がり 、少子高齢化の中、労働市場を支えることは難しい。赤字続きの財政も税収が下がり、最後には破綻するだろうというのが、教授の論点でした。

日本はこれまで素晴らしい文化と技術を持つ国として世界から評価されてきましたが、日本の国際競争力が下がっている要因として日本人が英語ができないことが挙げられます。

なぜなら日本の魅力を世界に発信するためには英語力が不可欠ですし、企業が市場を求めて海外進出するためにも英語力は必要です。さらには、少子化が進む日本では外国人労働者の採用も検討されていますが、共通語となる英語ができなければ必要な人材を確保することもできません。 

今後も日本が世界で対等に戦っていくためには、日本人が海外でも通用する英語力を身につけることは必須事項です。そして、そのためには日本の英語教育が変わることと私たちの英語習得への意識改革が必要です。4技能試験導入をはじめとした英語教育改革は日本にとって必要不可欠な変化のはずでした。

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