これがリアルの台湾有事〜上陸侵攻はあり得ない!…が、この方法で来る

ハイブリッド戦はもう始まっている
小川 和久 プロフィール

制空権も十分に確保できない

しかも、中国は台湾海峡上空で航空優勢(制空権)をとる航空戦力も十分ではない。

イギリス国際戦略研究所のミリタリーバランスなどによれば、中国空軍の作戦用航空機は2890機。そのうち第4世代、第5世代の近代的戦闘機988機とされる。第4世代はJ-10(426機)、J-11/Su27(349機)、 Su30(97機)、 Su35(24機)、J-15(20機)、J-16(60機)、第5世代は12機のステルス戦闘機J-20である。

これに対して、台湾空軍の作戦用航空機は500機。うち第4世代の近代的戦闘機はミラージュ2000(55機)、F-16(143機)、経国(127機)の325機である。

台湾有事にあたっては第7艦隊と在日米軍の海軍、海兵隊、空軍の戦闘機約200機も計算に入れなければならない。

 

それだけでなく、中国側の稼働率は米台側に比べて低く、空中警戒管制機AWACS、空中給油機の能力でも劣ることをみれば、中国側が航空優勢をとることは相当の困難が伴う。しかも、これは緒戦の状況であり、米国側の増援能力を考えると中国が火遊びに出るとは考えにくい。

福建省に1600基以上展開する短距離弾道ミサイルなどによって台湾の政治、経済、軍事の重要目標を攻撃し、その混乱に乗じて短時間のうちに傀儡政権を樹立する斬首戦にしても、米国との全面戦争を招く危険が大きく、中国が採用するとは思われない。

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