2021.08.21
# 生理学

今日は「献血の日」…戦後に問題となった「売血」からの転換のきっかけは?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

今日、8月21日は「献血の日」です。これは1964年の8月21日に「輸血用血液を献血により確保する体制を確立すること」が日本政府によって閣議決定されたことに由来しています。

日本における輸血は、1930年に時の首相・浜口雄幸が東京駅で銃撃された事件で、多量の血液を失った浜口首相に対して医師の塩田広重が輸血を行ったことをきっかけとして全国的に広がっていったとされています。

輸血が行われるようになった当初は、家族や知人などがその場で血液を提供することが一般的でしたが、1950年代になると血液銀行(現在の赤十字血液センター)が健康な人から血液の提供を受ける「献血」が始まりました。

しかし、「献血」事業のスタートとほぼ同時期に民間の血液売買業者による血液の買い取りも行われるようになったのです。血液を売ることは「売血」と呼ばれ、多い人では月に70回もの売血を行なっていた人もいたようです。

その結果、赤血球が回復しないままの血液や衛生的に清潔とは言えない血液が多量に出回ることになってしまいました。当然、売血を繰り返すことは健康にも良くありません。

種類にもよりますが、現在の献血では最後の献血から最低でも2週間、多ければ16週間の間隔を空けることになっています。

1964年には当時の駐日アメリカ大使のエドウィン・ライスシャワー氏が輸血を原因とする肝炎にかかったこともあり、売血は大変な問題となりました。

そこで、同年の8月21日に「輸血用血液を献血により確保する体制の確保」が閣議決定されました。これによって、その当時は2%しかなかった献血由来の血液も、10年後にはその全てが献血由来のものとなりました。

現在、献血を行う献血ルームでは飲み物やアイスなどを食したり、漫画を読むスペースもできるなど、より献血を行う人に優しく、良好な関係を築くような体制になっています。

また、大規模なイベントの際には献血バスと呼ばれる車が出向いていることもありますので、見かけた際には条件を確認の上で献血をしてみるのも良いのではないでしょうか。

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