2021.09.01
# 本

「アイドルは恋愛NG」なのか? アイドル卒業で「人生詰んだ」私が伝えたいこと

「消せないタトゥー」だと思ってる
作家として活躍する大木亜希子さんはかつて、AKB48のお姉さんグループとして知られ、秋元康氏がプロデュースを手掛けた「SDN48」の一員だった。しかし、「元アイドル」のセカンドキャリアはそう甘くはない。前編〈元アイドルの私が、ハイスペ男子に疲れ、「官能小説」を執筆するまで〉では、グループ卒業後に味わった挫折と苦悩を紹介した。そんな彼女がなぜ今回、官能小説『MILK』を書くに至ったのか。
大木亜希子さん/編集部撮影

過去の自分を救うために

――元アイドルが官能小説を書いていることでも注目を浴びています。きっかけはあったのでしょうか。

大木:実は、官能小説を書いているという意識はあまりないんです。私はアイドルだった自分、普通の女の子としての幸せを掴みたくてもがいた自分、結果失敗して人生詰んだ自分という、過去の自分を救うような気持ちで小説を書いています。つまり、過去を否定するつもりはないけれど、アンチテーゼの意を込めている。

その中で特に伝えたかったのが、身を滅ぼすような恋愛をしてしまうアラサー女性の心理だったり、芸能活動を通して目撃してきたジェンダーバイアスに悩む女の子の辛さと寂しさ、立場の弱さだったんですね。だからこそ、ちゃんと性を描きたいと思ったんです。

 

ただ、私自身が今を普通に生きているように、小説でも三次元を生きる人たちの日常にある性にしないと嘘っぽくなって、本当に伝えたいことが届かないかもしれない。

だから、『MILK』にはレズビアン風俗というちょっと非日常的なシーンも出てはきますが、30代の女の子のごく普通の一日を中心に表現にしてきたつもりです。

おかげさまで読者の方からいろいろな反響をいただくのですが、「こんなに爽やかな官能小説は初めて読んだ」という声を聞いた時はうれしかったですね。

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