2021.10.05
# エネルギー

「脱炭素」ブームのウラで、じつは「日本の総合商社」にこれから起きる本当のこと

金山 隆一 プロフィール

三菱商事、伊藤忠…日本の総合商社の「巧みな戦略」

ロシアから石油を輸入できれば、このチョークポイントを通過せずに日本に石油を運べる。また、三井物産は、同じ北極圏の巨大LNG(液化天然ガス)プロジェクトへの参画を決めているし、商船三井は北極圏で産出するLNGタンカーの積み替え輸送基地に出資することを決めている。

この両プロジェクトには国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)が融資や貿易保険で支援する方針を決めおり、ボストーク・オイルより先に実現するだろう。

2019年6月の大阪サミット。北極圏のLNGプラント開発が話し合われた。Photo/gettyimages
 

かといって、日本総合商社が脱炭素にまったく関心がないわけではない。むしろ、脱炭素へ向けたしたたかな戦略を描いていると言うべきだろう。なぜなら、再エネや水素、アンモニアから得られるリターンは資源ビジネスの10分の1、100分の1にすぎないからだ。

カントリーリスクがありながらもロシアの資源ビジネスで得られるリターンの大きさは、近年CO2を排出しないクリーンなエネルギーとして注目される水素やアンモニア、再生可能エネルギーなど次世代エネルギーの巨額投資のためのキャッシュ捻出という視点で魅力なのだ。

では、現状の商社の事情を見ていこう。

今年(2021年3月期)、連結純利益で王者三菱商事から首位を奪還した伊藤忠商事。岡藤正広会長CEOは、「非資源商社ナンバー1」を標ぼうしてきた。

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