小6のときに義兄に襲われ…20歳で体を売り実家から逃げた美女の「壮絶な生い立ち」

パパ活~新貧困時代の女たち(8)後編
安本 由佳 プロフィール

「体が動かない」気づけばメンタルを病んでいた

ついに22歳で単身上京を果たし池袋の美容室で働き始めた美鈴さんは、壮絶だった過去と決別し、ようやく自由を手に入れたはずだった。

一緒に働く同い年の同僚と近しくなり、恋心を打ち明けられたりもした。

しかし恋愛感情がどういうものか理解できない美鈴さんは、熱心に好意を寄せてくれる彼を一方的に傷つけてしまったという。

彼から「好きだ」と言われることは素直に嬉しい。一緒にいると楽しいし一緒にいたいとも思う。けれども自分からはどうしても「好き」と言えない。

どうしていいかわからず、哲学書や脳科学の本を読んで「愛とは何か」について研究したこともあったそうだ。しかし結局、腑に落ちない。理解できない感情を言葉にするのは偽りのようで嫌だった。

美鈴さんは嘘をつくのが苦手だ。けれども、正直であろうとすればするほど人付き合いが億劫になる。

アルコール依存症の母親、兄からレイプされそうになった過去、交際クラブやメンズエステでの経験……どれも人には話せない。好意や関心を持たれても、あれこれ詮索されると疲弊し、逃げたくなってしまうのだ。

次第に、美鈴さんは職場を欠勤しがちになった。

美容師になって、東京の美容室で働くことが彼女の夢だった。そのために交際クラブで体を売り、メンズエステでも働いて、必死で上京資金を貯めた。美鈴さんは決して怠惰な人間ではないのだ。

それでもどういうわけか、体が動かず出勤できない日が増えた。

すると、何も知らないスタッフたちが「彼女、キャバクラで働いてるらしいよ」などと噂するようになったという。否定すればいいのだが、さらに問い質されるのも面倒で、美鈴さんは黙って退職届を出した。

 

その後「絶対に何かがおかしい」と感じメンタルクリニックを訪れたところ、パーソナリティ障害を発症していると診断された。

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