意識ひとつで世界は変わる

高1の夏は私だけでなく、仲間たちもどこか、自分たちがとてつもなくキラキラした中にいるのではないかという気持ちがあったと思う。ボールを追いかけるのに夢中で、気づいたら熱さでやられていた、というのも初めての経験だった。

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早口でせっかちなメシア様の高い声でリズミカルに飛ばされる怒号は、「行け!」とか「打て!」とか「出ろ!」とか、テニスのプレイに対して出るもので、人格を否定されるようなものはなかった。時には教室に集められ、意識の持っていき方、イメトレやメンタルトレーニング、戦術など実際にプリントや板書を見ながら教わった。

『負けている時こそ、勝っているふり(振る舞い)をしろ』
『ポイントを意識できないのであれば、いくら練習しても意味はない』
『よくないイメージの練習をしたら、取り返すのに3日はかかる』

ハッタリかましていれば、自信は後からついてくる。つまり、「意識ひとつで世界は変わる」という大事なことを教わった

写真提供/バービー

仲間の存在もかなり大きかった。夏休み中は、おにぎりを各自5つぐらい持参し、真っ暗になるまでコートに居座った。部の練習が終わると、私たちの自由時間。遊びもまた、テニスだった。セオリーの真逆をいく陣形を取ったり、相手が打つ直前にギャグをしたり、変な声を出したり、ありえない回転のかかったアンダーサーブを打ったりと、おふざけミニゲームをよくやった。日が暮れてボールが見えなくなると仕方なく片付けをし、コンビニでお腹にたまる安くてデカいパンを買い食いして一日が終わる。何食わぬ顔をして、カゴに紛れこんだ割れたボールを「まやかし!!」と呼んで、呼吸が苦しくなるぐらい笑い合った。

写真提供/バービー

今、こうして振り返って文字にすると、何がおもしろいかさっぱりわからないけれど、中学から変わらないメンバーなのに仲間といる時間がいつも楽しくて、時間が足りないと思えるほどになった。