メシア様から呼び出されて言われたこと

ただ、まだまだ反抗期真っ只中。人はそんなすぐには変わることなどできるはずもなく、私はやがてチームの問題児になった。「覇気がない」「やる気がないなら練習やめろ」と私だけ怒られることが増えていった

肌寒くなってきた頃、みんなが練習している中、黒田先生からコートの外に1人呼び出された。説教されると思ったが、メシア様はこう言った。

この中で一番、選手として伸び率があるんだ。このチームなら全国を狙える。そのキーマンになるのがお前なんだ

可能性を示してもらえたこと、私の存在が必要だと言われたこと、役割を与えられたこと、大人に認められたのは初めてのことだった。雷に打たれたような衝撃だった。それまでは、思春期からくる反発心のオーラが出ていたのか、先生には勘違いされることがしばしばあった。

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実際に、高3最後の団体戦では、全国大会出場をかけた試合で、まさに私の試合はキーとなった。負けて、惜しくも夢は叶わなかった。あまりにも悔しかったせいで、私は大学でもテニスをやるハメになる。

そこから、変わった。悲観的で疑って掛かるような見方をするのは変わらなくとも、少なくとも『世界消えろ』とは思わなくなった。先生の一言がなければ、仲間がいなければ、今の私はない。もしかしたら、頑張る人を笑うだけで、何かに立ち向かう、自分には変わることができると信じることのない人間になっていたかもしれない。

写真提供/バービー