2021.09.07
# 相続税

69歳弟の孤独死に「葬儀費用も用意できない」71歳兄、“不幸中の幸い”だったこと

これまで数々の相続トラブルを解決してきた司法書士で、『相続は遺言書で9割決まる!』の著者・福田亮氏のもとには、ある日舞い込んできた真夏の「孤独死」案件。福田氏が「防護服」を着込んで現場入りした話は、〈【前編】69歳男性、顔が溶けるほどの「真夏の孤独死」…「防護服」でゴミの山を遺品整理した話〉で詳述しました。
本記事では、安田さん(71歳、仮名)の弟さんの葬儀や不動産の売却など、残された後始末について記すとともに、もし私たちが同じようなケースに遭遇したとき、何に気をつけるべきか説明します。

大変だった相続財産の洗い出し

亡くなった弟さんの相続財産は、ご実家の不動産1件と銀行口座3つ。相続人は安田さんお一人だったので、相続手続き自体はスムーズでした。

ご実家の不動産については、以前、安田さんのお母様が亡くなった際、相続登記の手続きをふくだ総合法務事務所にて行っていました。弟さんが「仕事を退職したら、実家に住みたい」と希望したため、安田さんは相続放棄し、唯一の相続財産であった不動産を弟さんに譲っていたのです。

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69歳という年齢から考えて、そろそろご実家に移り住もうとしていた矢先での急逝だったのでしょう。

かつて大きな過払い金を手にしていた安田さんでしたが、その後仕事を辞め、自宅でお母様が亡くなるまで介護をしていました。介護に何かとお金がかかったため、過払い金も残っておらず、金銭的な余裕はありません。弟さんの葬儀費用もご用意するのは難しい状況でした。

そこで、私が法務事務所とは別に経営している不動産会社で葬儀費用や相続に関する諸費用を立て替え、不動産売却益から精算することにしました。

これは、弊所が不動産会社(ふくだ法務不動産株式会社)も経営しているためにできることです。

幸いにもすぐに買い手がつき、無事に売却。その後、銀行口座についても手続きを取り、無事に相続を完了することができました。

財産が分かり、相続人の同意が取れていれば、我々司法書士にとって、相続の手続き自体は難しいものではありません。

 

安田さんの場合、相続人は安田さんだけだったため、遺産分割協議で揉めることはありません。大変だったのは、相続財産の洗い出しでした。

それでも、安田さんにはすぐに相談できる先があったから、何とかなりました。

「福田先生がいなかったら、どうなっていたことか……」とおっしゃっていましたが、何かあったときに相談できる専門家がいるというのは、非常に大切なことです。

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