インフレ加速にステルス値上げでバイデン気候変動対策あえなく蹉跌

大胆な財政政策に足すくわれ支持率低下

バラまいても支持率低下

6.4兆ドル(約700兆円)―これは、3月に成立した追加経済対策に、足元で協議中のインフラ計画と育児・医療支援政策を加えた、バイデン大統領が目指す財政出動の合計額だ。実現すれば、米国内総生産(GDP)比の約3割に及ぶ。

セントルイス地区連銀のエコノミストによれば、世界恐慌後に就任したフランクリン・ルーズベルト大統領(当時)が展開したニューディール政策は、米経済の約4割と試算されているため、バイデン氏の財政拡大はそれに近い規模と捉えられよう。

第2のニューディール政策を掲げ、就任後は大統領執務室にルーズベルト元大統領の肖像画を飾るバイデン氏は、選挙公約や施政演説での確約を果たしつつあるようだ。

リーマン・ショック後、自身が副大統領を務めたオバマ政権下で2009年2月に成立した景気刺激策「米国再生・再投資法(ARRA)」の規模は、GDP比5.7%程度だった。100年に一度金融危機の対応としては余りに小さいかったとバイデン氏は深く後悔したとされるが、その念を12年越しに晴らすことになる。

では、米有権者に「有言実行のバイデン氏」との印象を与え支持率が上昇しているかというと、現実は甘くない。

8月25日付けのリアルクリア・ポリティクスの世論調査平均では、不支持率が49.1%と過半数に届きつつある。就任1年目の大統領の支持率はご祝儀で上昇した後で低下する傾向にあり、バイデン氏の場合は8月16日のアフガン陥落が駄目押しとなったことは想像に難くない。

 

しかし、バイデン氏が3月の追加経済対策で現金給付1人1400ドルという大判振る舞いを行い、大きな政府を標榜する割に支持率が低下をたどる理由は、もう一つある。それは、インフレ加速だ。

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