税収は過去最高に
2020年度税収は、コロナ禍にもかかわらず60.8兆円という「史上空前」の金額になった。麻生太郎副総理兼財務大臣は、7月6日の記者会見で、「景気は悪い方向ではない」とご満悦でした。
庶民は、新型コロナの蔓延で収入も減り、苦しんでいるのに、なぜ国の税収は過去最高なのでしょうか。
その秘密は、「史上空前」の税収の中身を見ればわかります。
この「史上空前」の税収の稼ぎ頭は「消費税」です。前年よりも2兆6187億円も増え、20兆9714億円となったのです。

もちろん、「法人税」も4375億円、「所得税」も191億円、それぞれ増えていますが、この2つを合わせた約6倍も「消費税」が増えているのです。
「法人税」や「所得税」は、儲かった企業や人から徴収する税金です。これが大きく増えたのなら、景気は悪くないと言えるでしょう。
けれど、大きく増えたのは「消費税」です。店が赤字で倒産しそうな人でも、失業して路頭に迷っている人でも、災害にあって避難所にいる人でも、生きている限りは食べたり飲んだり電気や水道を使わなくてはならないので、誰もが必ず払わなくてはならない税金です。
しかも、この「消費税」が、新型コロナが爆発的に広がる少し前に日本では8%から10%に上がりました。国民生活基礎調査では、国民の6割が「生活が苦しい」と言っている中での「消費税」の引き上げで、国は「史上空前」の税収となったということです。