国産ワクチンはまだ先
現在主流となっている、ファイザーやモデルナのワクチンの他にも新しいワクチンが大量に供給されれば、3回目の接種がスムーズになる可能性は高い。前出の内田氏が、新しいワクチンの開発状況について語る。
「実際に、使用される可能性が高いものとして米国のノババックスのワクチンがあります。数万人の大規模臨床試験で、発症予防効果が約90%となかなか良い数字を出しています。
このワクチンは武田薬品が国内で製造する予定です。ワクチン供給が外交問題化するなかで、生産拠点が国内にできることは非常に重要です」
もっとも、ノババックスは9月に米国で緊急使用許可を申請する予定だったが、製造の遅れ、資材の不足などが理由で時期がずれこんでいる。
武田薬品は年内に供給開始予定だったが、米国での申請の遅れの影響を受ける可能性がある。また、2回の接種とはまったく違うワクチンを3回目に打って効果が得られるのか、思わぬ副反応につながらないか、わからないことはまだまだある。
このように国産のワクチンが潤沢に行きわたるには、時間がかかりそうだ。その前に第6波、第7波と迫りくる感染拡大を乗り切らなければならない。
とりわけ高齢者にとって恐ろしいのは、2回ワクチンを打ったにもかかわらず、十分な中和抗体が体内で作られていない可能性があることだ。前出の中山氏が解説する。