非正規雇用の子育て家庭にとってコロナは死活問題
先日、ある家庭から「コロナにかかってしまって、パートもクビになってしまい、買い物にも行けなくなってしまった」という連絡がありました。その他にも濃厚接触で待機になってしまった、というような方が何人もいらっしゃいました。
コロナ感染が広がれば、その影響を受ける方は当然増えます。濃厚接触者が出ても、狭い住居では隔離もままならない、ひとり親で自分が隔離になれば買い物にも行けないなど、困窮子育て家庭ならではの苦難がたくさんあります。その中でも注目すべき問題は、「隔離期間は、仕事に行くことができない」ということです。非正規労働の方にとっては大幅な減収に直結し、翌月生活ができなくなります。毎日ギリギリ、今でも足りない給料が、さらに激減する、貯金もない、という子育て家庭にとっては死活問題です。

これについても、政府にお伝えしていますが、迅速な動きはありません。
2学期が始まっても、感染拡大の影響で保育園や学校が夏休み延期となり、仕事に行けない方もいます。とにかく当座の食料を、と緊急で「コロナ感染者等のための食糧支援」を開始しました。対象は、ご本人や家族がコロナに感染や濃厚接触になった、保育園や学校が休園や休校になり、仕事に行けずに、翌月の給与が減少する方です。どれくらい対象者がいるのか、全くわからないまま、9月3日に「とりあえず200世帯」を用意して案内を出しましたが、数時間のうちに、660件の申込が来ました。
「親子で同じ日にPCR検査を受けて、二人とも陽性でしたが、親だけ入院、子供一人で自宅療養になりましたが、保健所の食糧支援は30歳までの家庭と言われました。子供一人でコロナ感染しているのに放置されました。保健所からの安否確認も一切なし。子供が心配で、5日間の入院で退院しましたが、子供は、3.5キロやせてました。本当に怖かったです。今はまだ、倦怠感と嗅覚異常の症状があります。子供はカップラーメンばかり食べていたせいなのか口内炎とか、口の端が切れてたり荒れていますが、野菜が高くてなかなか栄養バランスを考えた食事は食べさせてあげられません」 (50代・母)
濃厚接触や休校・休園の影響で仕事に行けない方からは、子どもが家にいるために食費が増えるという訴えと、翌月の収入が激減することへの不安がつづられています。
「収入はあるが、夏休み以降も休校になり食費や光熱費が倍になっており赤字が続いていて、消費者金融からお金を借りて生活している状況です」(30代・母)
クレジットカードのキャッシングを使い切ってしまって督促が来る、夫と相談しようとしても暴力を振るわれてしまう、というような声が上がっています。この方たちは何も悪いことをしていません。ただ、「コロナの影響で仕事ができないだけ」なのです。政府は雇用調整助成金や休業支援金などを使って欲しいといいます。大企業の正社員なら会社が申請をしてくれますが、中小企業や個人商店などで働いていたパートの方が利用するのは現実的ではありません。緊急小口資金や総合支援資金の貸付を利用して欲しいといいますが、些細な理由で申請させてもらえない、申請できても却下される、申請が通っても口座に振り込まれるまでに1ヵ月もかかるような場合もあります。今、食べるものがないのに、1ヵ月後に入金されてもしょうがないのです。