本年1月から開始した月1回の「数学間違い探し」の連載は幅広い読者から読まれているようで、心から感謝の意を表す。
第1回、第2回でも連載の背景や狙い詳しく述べているが、筆者の長年に渡る教育経験から悟ったことの一つに、算数・数学にある「間違い」を見付けるためには、暗記だけの学びはあまり役に立たない一方で、理解の学びが役に立つということがある。この「算数・数学の間違い探し」を通して背景にある「理解の学び」の重要性を少しでも学んでいただければ、筆者として嬉しく思う次第である。
毎回、初級、中級、上級の3題の「間違い探し」問題を順に出題するが、算数・数学として難しい問題を出題するものではなく、あくまでも間違い易い問題を出題する。
初級問題
【問1】四角形ABCDには、4つの頂点A、B、C、Dがある。それら4つの点のうち、3つの点を頂点とする三角形は、
△ABC、△ABD、△ACD、△BCD
の4個である。この話を聞いたA君は、次のように話した。A君の話が正しければ「正しい」と答え、間違っていればその訳を説明しなさい。
A君の話:五角形ABCDEには、5つの頂点A、B、C、D、Eがある。それら5つの点のうち、3つの点を頂点とする三角形は、
△ABC、△ABD、△ABE、△ACD、△ACE、
△ADE、△BCD、△BCE、△BDE、△CDE
の10個である。