2021.09.25
# 企業・経営

「アジアNo.1アリーナを神戸に」“民設民営”で挑む新アリーナ計画に「勝算あり」なワケ

大島 和人 プロフィール

新アリーナは神戸が誇る“百万ドルの夜景”の一部にもなる。

「神戸市さんからのたっての依頼です。このアリーナはハーバーランドの観覧車、メリケンパークにあるポートタワーと一つのアングルに収まる立地に建ちます。光の景観に溶け込む、ないしはそれ以上にインパクトのある夜景にしてくれと言われています」

株式会社スマートバリュー 提供
拡大画像表示
 

アリーナ、「勝利」の“公算”は…?

もっともロマンの実現には“そろばん”が不可欠だ。今回はNTTグループと協働しつつ、スマートバリュー側が運営を担う体制が組まれている。

「神戸市と土地の賃貸借の契約を結ぶのはNTT都市開発です。初期建設資金はNTT都市開発が担い、建物を建てます。土地の賃借は数十年ですけど、その間は私達がアリーナを借り続けます。そのオペレーションを担う運営会社がOne Bright KOBEで、(採算面の)リスクを負うのは私たちになります。ちゃんとマネタイズできてワークするモデルを、やらないといけません」

総工費、土地の賃料は公表されていない。総工費は大まかに言うと“百億円強”の幅の中で今まさに詰めている段階。施設の要件は支出と収入のバランスを考えつつ、これから緻密に設定される。

神戸の新アリーナはBリーグの公式戦以外に、コンサートやイベント、MICEで活用される多目的施設だ。ただし多目的を追求しすぎるとコストは上がり、使い勝手も損なわれる。必要な機能を程よく盛り込む要件設定は極めて重要だ。

「今は建設の要件を、コンソーシアムメンバーで話しています。例えば多目的にすればするほど、使い勝手は悪くなります。音楽興行においても音の反響など考慮するのが難しくなる。軸を持ちながらも最適化を目指す建設要件の整理は、運営におけるマネタイズとも密接に関係してきます」

なぜリスクを負って民設民営にするのか。渋谷の答えは明快だった。

「公設であったとしても、民営でないとまず(2026年からハードルの上がる)Bリーグが提唱する将来ビジョンにおける新B1ライセンスに通りません。あと公が入った途端にアリーナでなくて体育館になってしまう危惧もあります。中途半端な施設のまま50年もリスクを負い続けられるかと言ったら、僕はそのほうが怖いと思いました。日本にまだ存在しないクオリティのアリーナでアジアNo.1を目指したいんです」

関連記事