2歳年上のIT企業勤務の夫・孝之さんと結婚し、念願の「タワマン住み専業主婦」という身分を手に入れた佐藤理恵さん(仮名・36歳)。5歳の息子の拓也くんと家族3人で不自由なく生活していた。
しかし【前編】『憧れの「タワマン」に住み、夫婦関係が「完全に壊れた」36歳・専業主婦の大誤算』でも説明した通り、コロナをきっかけに孝之さんの会社が完全テレワーク勤務に移行。それが佐藤さん夫婦の幸せな暮らしを、少しずつ脅かしていく……。
「24時間一緒にいるのは無理!」
孝之さんの会社は先進的なITベンチャーだけあって、テレワークへの移行が非常に早かった。2020年の4月に最初の緊急事態宣言が東京に発令されるやいなや、全社員に無期限のテレワークを義務付け、緊急事態宣言が解除されてもテレワーク主体という体制は続いた。
「最初は楽観していましたよ。でも、『もう限界!』というくらいストレスが溜まるまで、1か月もかかりませんでした」

理恵さんは、なぜ1か月という短期間で、こうまで追い込まれたのか。それは理恵さん宅の間取りにも要因があったといえる。
「うちは80平米くらいで3LDK。ざっくりいうと、リビングダイニング、夫婦の寝室、子ども部屋というレイアウトです。だから、主人の仕事の場はリビングダイニング。でも、リビングはわたしがくつろぐ場所でもあるわけです。
主人が仕事をしていると、テレビをつけるわけにもいかないし。しかもアイランドキッチンで、食事のしたくにも気を使うんです。主人がオンライン会議をしているときに、炒めものなんてできないですよ。
いちどアサリの酒蒸しをつくるのに、フライパンがジューっと大きな音を立ててしまって、すごく嫌な顔をされました。主人の好物をつくってあげようとしたんですけど」