修学旅行や学校行事、生徒の想いはちょっと違う
では学校行事はどうだろう。この感染状況では中学行事のメインイベントともいえる修学旅行は、やはり厳しそうだ。
高1の息子は中学最後の3月、修学旅行代わりに一泊で近県のアミューズメント施設に行った。近隣の中学が修学旅行の実施を断念した中での強行突破だった。当時は子どもへの感染はほとんどなく、少数の感染した子どもも重症化しなかったこともあり、親たちは「学校ががんばって最後の思い出作りをしてくれた」とプチ修学旅行を実施した学校側に感謝しきりだった。
しかし当事者の息子は「あそこなら日帰りでいつでも行けるのにね。だったら学校の体育館にでも泊って、みんなでドッジボールとかポケモンカード大会でもよかった。そのほうが安全じゃん」と、つれない感想で、拍子抜けした記憶がある。
今年も軒並み修学旅行や体育祭などの行事が延期、中止になっているという。関西地方への修学旅行が2度目の延期になったAさん、Cさんはいう。

「6月だったのが9月になって、また延期。先生たちは『この緊急事態が明けたタイミングで絶対に連れて行く!』って張り切ってるけど、正直『いやそこまでしなくていいから』って気持ちが強い。だって移動中や宿泊先での感染予防は大変だし、旅行先の県にも迷惑でしょ。見学施設とかも閉鎖されているところが多いって聞くし」(Aさん/中3/男子)
「移動中の新幹線やバス内は会話禁止、2人部屋の宿泊先でもほかの部屋との行き来禁止なんで、全然楽しくなさそう。親とか先生が『中学生活の思い出作りに』ってがんばってくれる気持ちはありがたいけど、なんか『行った』っていうアリバイ作りっていうか、『子どものために』っていう先生や親のエモい感情が空回りしている気がします。冷静に考えたら、今は行くべき状況じゃない」(Cさん・中3・男子)
運動は苦手というBさん(中3/女子)は「実は体育祭がなくなってちょっとほっとしてます」と笑う。
「学校行事って全員がやりたいことじゃないですよね。すごく制限して無理やり学校行事をやるより、生徒たちの声を汲んだイベントが1つだけでもできたらとてもいい思い出になると思います」(Bさん)
「コスプレ大会とか、教室の電子掲示板を使ってクラス対抗でeスポーツやるとか、密にならないようなイベントはいろいろあると思うから、生徒のアイディアを拾ってほしい」(Eさん/中3/男子)
