2021.09.15
# ドラマ

『ハコヅメ』が、これまでの警察ドラマと「決定的に違っている」点

「新しいリアリティ」が視聴者を魅了
倉田 雅弘 プロフィール

これまでの回で、特に印象深いのは第6話で川合が遭遇したある自動車事故だ。詳しくは実際に視聴して感じて欲しいのだが、普段通りのコミカルな業務のなかで起きた、いつでもどこでもあり得るその小さな事故は、大口径の銃を振り回す刑事ドラマで起こる大量殺人よりも、胸をつくリアリティに満ちていた。

 

こうした『ハコヅメ』のリアリティは、長期にわたる不況や東日本大震災を経て厳しい状況が続く現在の日本にどこか重なる。

だからこそ不条理ともいえる状況や残酷な非日常に直面しても、めげずに減らず口を叩いてしのいでいく強かな登場人物たちの姿には憧れと共感を覚える。

軋んだシステムの末端で、それでも現状を保つために踏ん張る――それも悲壮感を前面に出すのではなく、強かに笑いを込めて――『ハコヅメ』の警察官の姿は、今の日本を生きる私たちの姿でもあるのだ。

【参考・引用資料】
『日テレドラマ半世紀』日本テレビ編(日本テレビ放送網刊)
『映画秘宝EX にっぽんの刑事スーパーファイル 』(洋泉社刊)
「警察は“しょうもない人”が頑張る仕事です」 『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』作者、泰三子さんに聞く(前編)日経ビジネス:https://business.nikkei.com/atcl/interview/15/284031/042300030/
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