夜な夜な家族ゲンカが勃発

20数年ぶりか。毎日一緒。
お互いなかなか慣れない。

つい。自分の余裕のなさから「ポンコツがポンコツの心配しなきゃいけない身にもなってよ!」と怒鳴ってしまう。

母・姉・父3人がそれぞれ、ポンコツって誰だ、誰のことを言っているんだとキョロキョロする。
無自覚である。

夜中に限って揉めたりする。
例えば、姉が何時になっても寝ない。姉は養護学校を卒業後、作業所といって障害者用就労施設に通っている。
「明日朝起きれないでしょ! 作業所どうするの? 行かないの?」と母が怒り出す。繰り返しが止まらない。
父が「怒ったって余計に寝ないだろ! 黙れ!」と母を怒鳴りつける。
酔っぱらっているので止まらない。
姉は横で歌を歌い出す。
カオスだ。
びびる。

姉の十八番は「蛍の光」。
「ほぉたぁぁーるの、ひかーり、まぁどぉのゆき~~」
調子ッぱずれだが、優しさと伸びのある声。

蛍火どころか、何の光も見い出せない。

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何度か3人のケンカの仲裁に入ったこともある。
その度に、何というか、ペッチャンコにされるのだ。
収拾などつかないし、どんどん長引く。
私が疲れ切ったところで、母が言う。

「けっ! どこの東京風情か知らんけど! 急に帰って来て収めようったってそうはいかないんだよ! 偉そうに! 出直して来な!」

え……家族ってチームじゃないのか。
何だその、決め顔は……。
「退治してやった」みたいな顔は。

父が「これは僕たちの問題だから! すみは気にしなくていいんだ! 明日朝早いんだろう。ぐっすり眠りなさい!」と。呂律がまわっていないので、だいだいそんな様なことを言っているんだと思う。

そうしたい。
でも、揉める時は、決まって私の部屋のドア前でやる。
たまの仕事の前日が多い。
なぜだ……。
あんたら……。

ドアは閉めているけど薄い。壁も薄い。
家自体が古くてせせこましいので、本人達にとってはそこは廊下だ。
ああ。実家の廊下劇場。
絶賛崩壊中。

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