当事者の想いを聞くだけで変わります
最近では、認知症の支援は介護保険だけではないと理解をしている支援者も増えています。それでも、これまでのような、介護保険中心の支援の在り方が根強くあり、地域との関わりが途切れてしまう当事者が多くいます。
いまだに、認知症の情報は「介護」と「予防」で大半を占めています。
認知症は診断直後から「介護」が必要なものではありません。「予防」は当事者が無理やりやらされることで気持ちが落ち込んでいるケースが多くあります。しかもいまのところ効果が実証された「予防」はありません。

間違った情報で、認知症の人が何もできないと決めつけずに、目の前の当事者の話を聞くだけでよいのです。
ここ数年で、当事者が書いた本も増えてきました。それぞれの当事者の本にはどのように生きていくかのヒントが書いてあります。まずは当事者と楽しく暮らすヒントを探してみてください。最近ではSNSで、当事者の笑顔や活動も見られるようになりました。診断から数年経っても笑顔で元気に活動している当事者もたくさんいます。「認知症=すぐに介護保険」ではなく、環境次第で生活がより良くなることを知ってもらいたいのです。
次回は『秘密がなくなる辛さ』です。
▽『認知症の私から見える社会』が発売中。ここでは紹介できない章も満載です。
第一章 認知症の人たちの言葉から
第二章 認知症の人の目の前にある「現実」
第三章 「やさしさ」という勘違い
第四章 「あきらめ」という問題
第五章 工夫することは生きること
第六章 認知症と共に生きる
第二章 認知症の人の目の前にある「現実」
第三章 「やさしさ」という勘違い
第四章 「あきらめ」という問題
第五章 工夫することは生きること
第六章 認知症と共に生きる