2021.09.26
# 認知症

「良かれと思って」先回りした手助けが、認知症当事者の夢を奪う

認知症の私から見える社会(11)

やりたいことを諦めない環境を一緒に考えたい

認知症になっても夢を持ち続けることは大切です。それなのに、やりたいことを言った途端、「認知症だから無理」とすべてを否定されて何も言えない、そうなると当事者も「認知症だからしようがない」とあきらめるようになります。

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どうしたらいままでやってきたことや、やりたいことをできるかを当事者と一緒に考え、地域につながることが大切です。やりたいことをあきらめなくてもよい環境を一緒に考えていただきたいのです。

仮に、山登りをして途中下山した場合、また挑戦するためにどうするか、運動の機会を増やそうなど、挑戦する気持ちを持ち続け当事者と一緒に考えることも大切ではないかと思います。

次回は『病気をオープンにできない理由』です。明日更新
▽『認知症の私から見える社会』が発売中。ここでは紹介できない章も満載です。
第一章 認知症の人たちの言葉から
第二章 認知症の人の目の前にある「現実」
第三章 「やさしさ」という勘違い
第四章 「あきらめ」という問題
第五章 工夫することは生きること
第六章 認知症と共に生きる
  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大