寺田心、声変わり中の天才子役が「モンスター性」を失わないために必要なこと

そろそろ未来を考えなくてはいけない
宝泉 薫 プロフィール

寺田もまた、そのあたりをいじられたりする。昨年5月に出演した「しゃべくり007」(日本テレビ系)では芸人たちから「あなた、中身30代ですか」「もう四十肩とかじゃねえの?」などとツッコミを入れられていた。大ファンだという55歳女性の「小6なのに心は瀬戸内寂聴」という評も紹介されていたものだ。

実際「好きな給食は?」という質問に、

「それはちょっと。食べ物関連の(CM)がありますので」

と、忖度したり、終始、丁寧すぎる敬語を使ったりする姿は大人顔負けだ。そのくせ、声や口調、さらには顔や体型も、普通以上に子供らしかったりするというギャップが彼のモンスター性につながっている。

映画「妖怪大戦争」HPより

無邪気さと邪気が混在する魔力

そのモンスター性は、特にCMで発揮されてきた。TOTOのウォシュレット一体型便器のCMで演じたリトルベンや、ブックオフの「本ねぇじゃん」CMでの店員。どちらも無邪気さと邪気が混在するような独特の魔力が効果的に活かされている。

ただ、ドラマや映画での代表作はというと、今ひとつ思い浮かばない。安達における「家なき子」や芦田における「マルモ」のような決定打がまだないのだ。

それでも、2017年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で演じた虎松役や、19年のドラマ「トクサツガガガ」(NHK総合)におけるダミアン役はさすがだった。前者は国民的ドラマでヒーローの幼少期を任されるという天才子役ならではの起用にきちんと応えたし、後者は今のところ彼の持ち味が最高にハマった作品だ。

というのも「トクサツガガガ」は小芝風花扮するオタク腐女子の泣き笑いを描いたもの。彼はマセガキっぽい小学3年生の役で、社会人のヒロインにもズバズバ鋭いことを言って、感心させたりする。たとえば、

「クラスメイトでも、友達かはわからないでしょ」

という台詞だ。可愛いけど毒舌という、無邪気さと邪気が混在するような魔力がここでは存分に活かされていた。

 

しかし、世間的にはやはり、彼はCMのイメージのほうが強いのではないか。これはその声やキャラが個性的すぎることが関係している。ドラマや映画はおそらく、その個性を持て余し気味なのだ。

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