「次の訪問が楽しみ」イケオジ料理家に
胃袋を掴まれた男性編集のこの気持ちは…

スポーツ誌から女性ファッション誌に配属された編集者の石田友也が、事故で入院した先輩のピンチヒッターとして、料理研究家・三ツ矢歩の自宅へコラム原稿を受け取りに行くところから物語が始まるBLグルメ漫画『三ツ矢先生の計画的な餌付け。/ぶんか社』。タイトルにもある三ツ矢先生は、料理番組だけでなく情報番組のコメンテーターとしてもテレビなどで活躍する有名料理研究家。京都出身で京言葉を話す54歳のオジサマで、同性愛者をカミングアウトしている著名人のひとり。

そんな大御所の自宅を緊張しながら訪ねた石田は、原稿の仕上げを待つ間に、「まぁ食うてみて」と出された先生の手料理に度肝を抜かれ…あまりの美味しさに「食い終わりたくねえ〜」と感嘆。まんまと(?)胃袋を掴まれてしまった石田は、先生の料理に対する考え方にも心動かされ、担当編集としてやる気モードに。そして、ヘンな夢を見てしまうほど先生のことを意識し始め、次の訪問が楽しみになってしまいます。

 

「作者の松本あやか先生は、実在する美味しいお店を紹介した『札幌乙女ごはん。』や、北海道のごはんを中心に人間ドラマを描いた『きみと食べると、~北海道ときめきごはん~』など、多くのグルメ漫画を手がけています。本作は、ごはん×BLの作品ですが、ただのごはん漫画としても、ただのBL漫画としても楽しんでもらえるように心がけています。連載が始まると、『ご飯も美味しそうだしキャラも素敵』『思ったよりラブラブで読んでいて動揺した』『関西弁のイケオジが、実在する有名料理人のような色気もある』など、読者の方から様々な反応がありました」

また、「松本先生がおっしゃっていたのですが、1話の三ツ矢先生の登場シーンは、オジサマ好きの方から多くの反響があったそうです。それには先生も驚きながらも喜ばれていました。私が好きなシーンは、石田が三ツ矢先生の飼う大型犬とじゃれるシーンや、男2人で犬を洗ってるシーンです。そういう何気ないシーンの和んだ感じに笑みがこぼれてきます」と語る、本作の担当編集・菅谷さん。

三ツ矢先生が作る料理の美味しそうなビジュアルにも、石田が料理を食べたときの素直なリアクションにも目を奪われる本作。それを描く松本先生はやはりグルメ通のようで、「最近はお会いできていませんが、以前は、松本先生が住む北海道・札幌市で打ち合わせをしていたのですが、連れて行っていただいたお店のハンバーグやジンギスカンがとてもおいしくて、仕事だけどこんなに楽しんでいいんだろうか、という思い出があります。作中に出てくる料理は、先生が好きなメニューを反映されていることがほとんど。実際に先生がよく作られるのは、中華粥やローストビーフ、回鍋肉だそうです」と菅谷さんが教えてくれました。

食べる側の石田、作る側の三ツ谷先生、どちらの喜びもわかる作者が描く飯テロ漫画。でありながら、三ツ谷先生のセリフや、石田の戸惑い・動揺など、胸きゅん要素もたくさんあり、2人の恋の行方からも目が離せません。