45歳シングルマザーの悲哀…娘の進学が「台無し」になった教育資金の「落とし穴」
せっかく合格したにもかかわらず…「住宅費用」「老後費用」と並んで「人生の三大費用」の一つとされる「教育費用」。中でも大学進学には多額のお金が掛かることはご存じのとおりです。
「子どもの希望する進路に進ませてあげたい」というのは親であれば誰もが思うことですが、資金計画が不十分であったためにその進路が閉ざされてしまうことも現実にはあります。その落とし穴はどこにあるのか? 以下に事例を見ていきたいと思います。
せっかく希望の大学に合格したものの…
横浜市の不動産会社で事務員として働く岡田洋子さん(45歳・仮名、以下同)は8年前に離婚し、一人娘の友里さん(18歳)と二人暮らし。生活に余裕はありませんでしたが、子どもの教育だけはおろそかにしたくないと離婚後も習い事や塾にはなるべくお金を惜しまずに使ってきました。

その甲斐あってか友里さんは高校の成績もよく、特に英語が得意な彼女は国際的な教育環境が整っていることで有名な都内にある私立の難関大学を目指していました。
高校3年生になった友里さんは11月に推薦入試で第一志望の大学を受験し、見事合格しました。ところが大喜びする友里さんのとなりで岡田さんは青ざめました。合格通知書に同封されていた入学手続き案内を見てはじめて、入学金20万円を合格後1週間以内に納めないといけないことを知ったのです。
友里さんが受験生になってからは模試や夏期講習で今まで以上に塾代が掛かるようになり、貯金もほとんど取り崩してしまっていた岡田さん。同じく母子家庭の知人が利用したと言っていた「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」に申し込むつもりではいましたが、入学金は入学時までに納めればよいのだろうと思っていたので、申込手続きはまだ何もしていなかったのです。