2021.09.27
# 教育資金

45歳シングルマザーの悲哀…娘の進学が「台無し」になった教育資金の「落とし穴」

せっかく合格したにもかかわらず…
長尾 真一 プロフィール

この母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、「20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等」を対象とした公的な融資制度で、子どもの就学時に一時的に必要となる入学金等に利用できる「就学支度資金」や、在学中の授業料等に利用できる「修学資金」は無利子で借りることができます。

岡田さんは翌日あわてて区役所に赴き、母子父子寡婦福祉資金貸付金について窓口で相談しましたが、審査に時間がかかるため入学金の納入期限には間に合わないと言われました。

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そこで次は高校でリーフレットが配られていた「国の教育ローン」を申し込もうと日本政策金融公庫の窓口に行きましたが、審査に必要な書類をまだ何一つ準備できておらず、同じく納入期限には間に合わないという回答でした。

悲嘆にくれた岡田さんは仕方なく友里さんに入学金が間に合わないことを伝えました。高校の先生にも相談し、友里さんの成績なら一般入試で別の大学を目指すこともできると言われましたが、目指していた大学への道が閉ざされたことに落胆し、母親にもこれ以上負担をかけたくないと思った友里さんは結局進学から就職に進路を変更し、地元のスーパーに就職することになりました。

入学金を期日までに支払うことができず、大学進学を諦めるしかなかった友里さん。しかし仮に入学金は間に合ったとしても、授業開始前までに授業料や施設設備費、教材費など、納入すべきものはまだまだあります。【後編】『100万円の「教育資金」を、息子の大学入学前に使い切ってしまった48歳父の大誤算』では、授業料の負担が重くのしかかった場合について、実際の事例を挙げつつ説明していきます。

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