2021.09.27
# トヨタ

トヨタの半導体在庫の増加はデフレ経済の終わりを意味するか

転換できないビジネスの命運は

半導体不足は何を意味するのか?

世界的な半導体不足が問題になっている。さらに自動車業界では、トヨタ自動車が8月19日、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大などに伴う部品供給不足も理由として、9月までに国内14工場、27ラインの生産を最大で22日間止め、9月の世界生産を4割程度減らすと発表した。さらに、10月も同様の減産を行う見通しだ。

by Gettyimages
 

2011年の東日本大震災の経験から、トヨタは重要部品である半導体についてはサプライチェーン上に4ヵ月分の安全在庫を持たせていたため、これまで他社が半導体不足に苦しむ中でも善戦していたのだが、ここにきてさすがに力尽きたと言える。

中国・武漢発のパンデミックの影響は、様々な生産現場に影響を与えており、各種自動車部品もその中の一つだ。半導体は特に生産工程が多いためリードタイムが長いことが問題を大きくするといえよう。

また、そのリードタイムの長さも影響して、半導体は農産物のような市況商品でもある。農産物価格が乱高下しやすいのは、実はその生産の「リードタイム」の長さによるところが大きいのだ。

例えば、一般的な作物のリードタイムはおおむね1年である。春先に種を播いて秋口に収穫する。種まきの時期が過ぎてから、その作物の不足が明らかになっても、次の春(種まきの時期)までほとんど何もできない。

逆に、春に大量の種を播き秋に大豊作になった結果、価格が大暴落してもほとんど何もできない。せいぜい、出来過ぎた作物をトラクターで踏みつぶして畑の肥やしにするくらいだ。

さらに、コーヒーの木などは、収穫できるようになるまで数年かかる。

石油や天然ガスなどのエネルギー資源はさらにリードタイムが長い。資源がどこにあるのかの探査から考えれば、数年・数十年はごく普通である。また生産を停止した設備の復活にもかなりのリードタイムが必要だ。

このような、「市況商品」の場合は、商品が不足したからと言ってすぐには本気で増産しない傾向がある。勢いづいて増産した結果、出来上がったころには需要が沈静化して「商品をトラクターで踏みつぶす」はめになることを恐れるからだ。

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