2021.10.04
# 事件

「刑務所に入りたい」…東海道新幹線で3人を殺傷した犯人が「考えていたこと」

小学2年生のときから考えていた
2018年6月9日、新大阪に向かう東海道新幹線「のぞみ」の車内で、男性が鉈とナイフで1人を殺害、2人に重傷を負わせる事件が起こった。犯人は当時22歳の小島一朗。とある「むしゃくしゃした出来事」がきっかけとなって、「無期懲役になる」ために凶行へと至った。理解しがたい彼の素顔に迫ったルポ『家族不適応殺』から、著者のインベカヲリ★氏が初めて小島に面会した場面を、一部編集のうえで紹介する。
 

ニコニコと笑っていた殺人犯

「〇番さんどうぞ」

ようやく番号が呼ばれ、私は席を立った。その日は人が少ないため、面会時間は最長の30分。常に混雑している東京拘置所が15分なのに比べると、だいぶ長い。

「どうぞ。3番ドアに入ってください」

薄暗い廊下の奥へ進み、番号の付いた金属ドアを開けた。

アクリル板の向こうには、まだ誰もいない。

面会室は狭く、スペースはそれぞれ一畳ほど。正面に肘が置ける程度の小さな台と、私の側には椅子が三つ無理矢理に押し込まれている。換気は悪く、壁はシミだらけだ。閉所恐怖症の私は、落ち着かない気分になった。

それでも椅子に座り、ノートを広げてスタンバイする。

しばらくすると、足音が聞こえてきた。ドアの向こうで「メガネがない」という声が聞こえる。すぐに扉がガチャッと開き、立会人の看守とともに小柄な男が入ってきた。

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