2021.09.30
# 不動産

恒大危機など序の口、中国不動産バブルの恐るべき深度と規模の全体像

不動産向け融資残高873兆円の逆回転

背筋が寒くなる不動産販売の減少

ここでは一度、今年に入ってからの中国の不動産市場に関するさまざまな数字を見てみよう。

まずは今年1〜8月、国内各金融機関の不動産業者への融資は前年同期比で6.1%減となったこと、全国で不動産業者による土地購買面積は前年同期比で10.2%減となったこと、そして着工面積は3.2%減となったことは記しておくべきであろう。不動産業者に対する金融規制の強化や不動産市場の冷え込みがそこから見えてきている。

今年8月、全国住宅販売面積は前年同期比で17.6%減となった、というショッキング的な数字は最近出ているが、盛夏の季節とは裏腹に、不動産市場の冷え込みがより一層進んでいる。

そして9月下旬になると、9月19〜21日という「中秋節」を挟んで3連休の不動産販売の実績が関係者に背筋の寒さを感じさせるのに十分である。

例年では不動産がよく売れたこの3連休では、北京市内住宅販売面積は前年同期比で64%減、上海69%減、深圳49%減、蘇州75%減、福州81%減と、全国大中都市では不動産の販売面積は平均にして7割も激減したわけである。

これは明らかに、「恒大危機」からショックを受けて投資・投機者たちが一斉に不動産市場上から手を引いてしまったことの結果であるが、このような状況は今後も続いていれば、不動産市場の冷え込みは極限にまで進んでいくこととなろう。

そして不動産が徹底的に売れなくなると、恒大も含めて大量の負債を抱える国内の不動産開発業者たちは資金繰りがますます苦しくなってデフォルトの危機にさらされることとなるが、生きていくためには彼らは、手元にある不動産在庫を値下げして売り捌くしかない。そしてそれが、不動産価格の急速な下落を招くのは必至のことである。

そして不動産全体の価格が一旦下落する方向へ向かうと、2軒目・3軒目の不動産を財産として買っておく全国のサラリーマンや公務員たちは黙って見守ることは絶対しない。毎日座っているだけで自分の財産が減っていくこととなるである。そうなると、今までの不動産バブルを支えてきた彼らは一斉に物件を売り出して逃げるのかもしれない。そしてそれは間違いなく不動産価格の暴落を招き、不動産バブルの崩壊となるのである。

 

その際、中国政府は例えば「不動産売買禁止令」を出して不動産市場を凍結することによって価格の暴落を止めることもできるが、しかし不動産市場の凍結はすなわち不動産市場の死。そして不動産市場が死んでいれば、中国の国内総生産の十数%を占める不動産開発業も死んでしまうのである。

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