中国恒大は何匹目のゴキブリか?
4月20日公開「『ドルが紙くずになるかもしれない』時代に考えるべき、これからの金の価値」で、アルケゴスやグリーンシルの問題に触れたのは半年ほど前のことだが、その後日本や世界で余りにも色々な事件が起っているので、読者はもう忘れていたかもしれない。
だが、世界経済に対して半年前に、カナリアが親切にも我々に危険を教えてくれていたのである。
昨年3月29日公開「バフェットの師匠が教える『粉飾決算の見分け方』」、同7月15日公開「ワイヤーカード・スキャンダルは実はエンロン事件並みの衝撃かも」8ページ「ゴキブリが1匹だけのはずがない」などで述べたように、投資の神様バフェットは、「1匹目のゴキブリ」を見つけた時に対処すべきだと述べている。
ゴキブリが目の前の1匹だけではなく、流しの奥の配管の陰に巨大な巣をつくっていると考えるべきなのだ。そして、今回の恒大問題を見ると、やはり「ゴキブリは1匹だけではなかった」ということである。
グリーンシル、アルケゴス、さらにはワイヤーカード以外にも、すくなからぬ数の「ゴキブリ」がこれまで目撃されており、中国恒大が最初のゴキブリというわけではない。したがって、配管の裏から「ゴキブリの大群」がそれほど遠くない将来にやってくる可能性が高いように思える。