韓国発エッセイが人気のワケ
ハ・テワン『すべての瞬間が君だった』(マガジンハウス)をはじめとする韓国発のエッセイが10代女性に支持されていると言われて久しい。
たとえば「現代ビジネス」に掲載された相川真紀「韓国のエッセイが日本の女子高生の「神本」になった理由」によると人気の理由は
・インスタ映えする装丁
・頑張らなくてもそのままでいいと読者を肯定
・頑張らなくてもそのままでいいと読者を肯定
だという。
その結論に異論はないが、いっしょに買われている本を眺めると、また違った面が見えてくる。


韓国エッセイはTwitter/インスタポエムと一部客層が重なっているのだ。
Twitter/インスタポエムとは何か?
SNS上に恋愛に関することや人生訓をエモいポエム風に書いて人気を博していたアカウントの発言を書籍化したものである。
これらは2015年3月にKADOKAWAから刊行された蒼井ブルー『僕の隣で勝手に幸せになってください』を嚆矢とし、カフカ『だから、そばにいて』(15年9月刊、ワニブックス)、sleep『好きで好きでどうしようもない恋は、いつもどうにもならなくて。』(16年8月刊、KADOKAWA)、ハジメファンタジー『言葉にしなくちゃ』(16年11月刊、ワニブックス)などが続いた。
これらをくくって筆者はTwitter/インスタポエムと呼んでいる。
KADOKAWAはこうしたTwitter/インスタポエムを「エモ文学」と形容し、Twitter、インスタ、YouTube、TikTokerなどで活動するインフルエンサーのエッセイを刊行するレーベル@nightを2018年6月に創刊している(ただし、20年9月以降は新刊が出ていない)。