漫画家夫婦の不倫を描いた『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(堀江貴大監督)が話題だ。

同業の漫画家の夫が自分の担当編集者と不倫をしていることがわかり、不倫がテーマの漫画連載を始める主人公の佐和子。そんな佐和子を演じた黒木華さんが実感した、不倫された妻の思い、そして、俳優と漫画家に共通するものとは。

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』
結婚5年目の夏、漫画家の早川佐和子(黒木華)は、同じく漫画家の夫の早川俊夫(柄本佑)と担当編集者である桜田千佳(奈緒)と俊夫の不倫に気付く。新作漫画のテーマを「不倫」にし、連載を開始した佐和子。自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれた俊夫は「もしかしたらバレたかもしれない」と精神的に追い詰められていく。一方、自動車教習所に通い始めた佐和子は、教習所の先生の新谷歩(金子大地)に淡い恋をする。漫画は、創作なのか?それとも佐和子流の復讐なのか? 俊夫は恐怖と嫉妬で現実と漫画の境界が曖昧になっていく――。
-AD-

漫画で夫の不倫を描く妻の思いとは

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』より

――主人公の佐和子は夫の不倫に気づきながらも、直接言葉で伝えず、漫画で夫を追い詰めていきますが、その心理をどう捉えましたか?

黒木:追い詰めているとき、私は「してやった」とは思わなかったんです。「浮気を感づかれているかも」と知った後、夫が自分を詮索する行動を見て、佐和子は「まだ私に対してちゃんと感情があるんだ」ということに気づけてうれしかったのではないでしょうか。

もちろん、不倫に気づいた時はショックだったと思うんです。と同時に、アシスタント時代は自分の「先生」であった夫に、もう一度心を動かして漫画を描いて欲しいという気持ちもあったのではないかと。

佐和子は漫画家として俊夫さんより売れ始めますが、だからと言って描けない俊夫さんを責めたりはしていません。なので余計に「ちゃんとできるはずなのに」と期待していると思うんです。

浮気をされた妻として夫を憎たらしいと思っている反面、同時に心を動かしてもう一度漫画を描いて欲しいとも思っている。それらの気持ちがつながって、2人の共通点である漫画を通して自分の思いを伝えているのではないかと感じました。