太平洋上で始まった「試験」
空母化される海上自衛隊の護衛艦「いずも」が3日から7日まで太平洋上で、米海兵隊岩国基地の垂直離着陸戦闘機「F35B」の発着艦試験を実施する。「いずも」は6月末に飛行甲板の耐熱塗装や標識塗装などの部分改修を終わり、F35Bが発着艦可能か確認する。
今回は米軍の協力による試験にとどまるが、空母化される「いずも」や2番艦「かが」に米軍機を搭載する日米共同運用に道を開く最初の一歩となる。


もちろん「いずも」型には自衛隊版のF35Bを組み合わせるが、中国を牽制するため、米軍のF35Bを搭載して南シナ海に空母「いずも」が現れるその日は近いのではないだろうか。
米軍機を搭載する形の共同運用で先行するのは、8月から9月にかけて日本に寄港した英空母打撃群の旗艦、空母「クイーン・エリザベス」だ。インド太平洋派遣にあたり、F35Bを計18機搭載した。このうち英軍機は8機で、残り10機は米軍機だ。米英で甲板を使用することで共同作戦能力の向上を図った。


指揮官を務めるスティーブ・ムーアハウス准将は横須賀で記者会見し、「我々は共同運用できることを証明した。英軍と自衛隊でも同じことができる。可能にするための目標と課題を設定するべきだ」と語った。
ムーアハウス准将が呼び掛けたのは日英の共同運用だが、実は防衛省は以前から日米の共同運用を検討している。