「“地球”の下を歩いてみませんか?」

「科学未来館の“地球”の下を歩いてみませんか?」

遠藤氏からそんな提案があったのは、今年6月のことだった。江東区青海にある日本科学未来館には、1000万画素を超える高解像度で地球の姿をリアルに映し出す「ジオ・コスモス」というシンボルがある。日本科学未来館の協力により、この“地球”を舞台に歩くイベントが開催できる可能性があるという話だった。

「おお、すげえ!」

メンバー一同、感嘆の声を上げた。誰も反対する者はいなかった。こうして日本科学未来館での歩行イベント開催が決まった。誰も「これで終わりにしよう」とは口にしなかった。けれども、「俺たちの集大成を見せよう」と決意表明するようになった。長かった旅路にも、ようやく終わりが見えてきた。

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フィナーレとして最高の舞台が用意され、私たちの練習にはますます熱が入った。30℃を超える気温のなか自宅近くの坂道をひたすら登っていく練習はかなり酷なものだったが、「最後の夏だ」と思うと不思議と名残惜しく感じられた。月に一度のペースで訪れていた新豊洲Brilliaランニングスタジアムも、パラリンピックが終わると取り壊されることになると聞かされ、練習で訪れるたびに感謝の思いでトラックを踏みしめた(10月現在、施設利用はしばらく続けられることが決定)。

月に一度のペースで、日本科学未来館にも通った。初めて目にした「ジオ・コスモス」は圧巻だった。美しく、力強く、そして尊かった。メンバーとともに積み重ねてきたものを、この地球に向かって解き放つのだと思うと胸が熱くなった。とは言え、一面に広がるタイル状の床はこれまで練習してきたアスファルトやトラックに比べると滑りやすそうにも感じられ、入念な準備が必要であることもわかってきた。また、当初は有観客イベントとして準備を進めていたが、感染状況がなかなか収まりを見せず、やむなく観客を入れることはあきらめ、当日は配信イベントに切り替えることとなった。

”地球”を前にしてテンションは上がってきた!