劇場版『きのう何食べた?』フードスタイリストが語った、「自然な料理」を見せる技

「こだわり」に気づいてほしくない

『モーニング』で連載中の漫画『きのう何食べた?』。2019年に放送されたドラマは、シロさん(演:西島秀俊さん)とケンジ(演:内野聖陽さん)の「原作再現度の高さ」もあって大好評を博した。

そんな本作の魅力は、何と言ってもおいしそうな料理。そこでドラマから引き続き、現在公開中の劇場版『きのう何食べた?』にてフードスタイリストを務めた山崎慎也さんに、実写版『何食べ』の料理の魅力について伺った。

フードスタイリストの山崎慎也さん
山崎慎也(やまざき・しんや)
1975年、生まれ。東北芸術工科大学 美術科彫刻コースを経て、情報デザイン学科映像コースを卒業。1999年、石森スタジオ入社。カメラアシスタントとして入社するが、フードスタイリストに転向。味の素冷凍食品「ギョーザ」S&B食品「濃いシチュー」など、数々のCMでフードスタイリストを務めている。
 

「自然に見える流れ」を意識している

――『きのう何食べた?』の撮影現場でのフードスタイリストのお仕事の流れを教えてください。

山崎慎也さん(以下、山崎):脚本をもらった時点で出てくる料理は決まっているので、まずは本番と同じ材料や道具を使って「原作通りに作るとどうなるか?」をテストしてみます。

その際に現場のキッチンを想像しながら、「鍋からおたまですくうシーンはこのアングルから入るのがいいんじゃないか」とか、「こちらの方向から見ると料理にツヤが出る」とか考えていますね。

そしてこちらオススメのアングルでテスト撮影を進め、その映像を元に監督がコンテを描いて全体像が決まり、実際に現場で撮っていきます。

――つまり脚本と料理が先にあって、そこから絵コンテが生まれる…という順番ですね。本番で実際に登場する料理も、山崎さんが作っているのでしょうか?

山崎:そうですね。撮影時間の短縮のため、調理に時間がかかるものはあらかじめ別に用意しておいて、料理番組みたいに取り替えたりします。

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