2021.10.07
# 政治

岸田総理は「執念深いエリート」…次なる狙いは「安倍・麻生への逆襲」か?

甘利氏を幹事長にした「ウラの思惑」
近藤 駿介 プロフィール

このレッテルを取り去るためには、政治とカネの問題を抱え国民や野党から攻撃目標となりやすい「安倍・麻生」と並んで「3A」の一角を占めると甘利氏を幹事長に据え、総選挙での議席減の責任をとらせて辞任させ、「3A」の影響力を排除する形で岸田新総裁の意中の人を新しい幹事長に据えるというのが一つの効果的な戦略だといえる。

今回岸田新総裁が、萩生田氏を安倍元総理が望んだ幹事長にも官房長官にも就けず、「3A」の一角である甘利氏を幹事長に、細田派ながら安倍氏と近い存在とは言えない松野博一氏を官房長官に据えたことで、その機嫌はすこぶる悪いという報道も流れている。

さらに岸田新総裁が組閣に関して麻生副総理に事前に相談をしていたり、甘利幹事長が閣僚人事に影響力を発揮したりと、安倍元総理を軽視するかの動きが見られることで「3A」に亀裂が生じ始めているという報道も出て来ている。

安倍元総理が幹事長に推していた萩生田光一経済産業大臣[Photo by gettyimages]
 

真の目的は「脱安倍」ではないか?

今回の人事で岸田新総理は、安倍元総理の出身派閥である細田派から最大の4人を入閣させた上に若手代表の福田氏を総務会長に抜擢し、安倍氏が総裁選で支持した高市氏も政調会長に据えるなど、表向きには彼に配慮を見せたような格好になっている。

これが「安倍・麻生傀儡政権」というレッテルを張られる要因になっているのだが、実際には安倍元総理の要望はほとんど受け入れていないどころか、挑発するかの様な内容になっている。

筆者は、岸田新総理はその穏やかそうな表情の裏で安倍元総理に対する怒り、不信感が沸点に達しているではないかと想像している。今回の総裁選で真っ先に「自民党改革」を掲げて立候補表明するという「覚悟」を見せたのも、その現れだったと考えている。

かつて岸田氏は、安倍元総理からの禅譲をめぐる盟約説が取り沙汰され「ポスト安倍」の本命とも呼ばれる存在だったが、昨年の自民党総裁選では支持を要請したにもかかわらず、安倍氏は早々に菅支持を打ち出し総裁選の流れを決定づけてしまった。

そして今回岸田氏が真っ先に立候補表明をすると、安倍元総理は岸田支持表明をするどころか、政治信条が近い高市元総務大臣を対立候補に担いで強烈に支持したのは記憶に新しいところである。

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