2021.10.17
# エンタメ

韓国発の大人気番組『イカゲーム』と『ガルプラ』…両者には、若者を虜にする共通の「しくみ」があった…!

2021年9月に配信が開始され、Netflix史上最大のヒット作となることが見込まれている韓国発のデスゲームドラマ『イカゲーム』と、2021年8月から始まった韓国のMnetが主宰して韓国、中国、日本3カ国からの参加者がアイドルグループとしてのデビューを懸けたサバイバルオーディション番組『Girls Planet999:少女祭典』がどちらも世界的な人気となっている。

『イカゲーム』以外にもたとえばNetflixでは「週刊少年サンデー」連載マンガを実写ドラマ化した『今際の国のアリス』も全世界視聴者数1800万を超える反響を獲得してシーズン2制作が決まったが、『アリス』も生死をかけてゲーム攻略に臨むデスゲームものだ。『イカゲーム』が突出した人気を得ていることは間違いないが、そもそもジャンル的な人気に底支えされている部分も無視できない。

サバ番(サバイバルオーディション番組)も同様だ。日本で今年放送・配信されたものに限っても『ガルプラ』以外に『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』『THE FIRST』『LOUD』『WhoisPrincess?』など常に途切れずに何かしら行われており、番組フォーマット自体に人の関心を惹くものがあると言える。

 

デスゲームとサバ番に共通する「しくみ」

こうしたデスゲームとサバ番の構造はほとんど同じである。

「もう後がない」「これで最後」または「再起をかけて」といった切実な思いを抱いて参加した人間たちが、与えられた複数のミッションを通じて互いの絆や軋轢を深め、しかし、だんだんと参加メンバーは減っていき、視聴者は脱落や離別に胸を痛めながら、最後まで生き残る人たちを見守り、応援していく。

ただし、生き残りを懸けているといっても、横柄な振る舞いによってヘイトを集めた参加者はほかの参加者や審査員(サバ番の場合は視聴者投票が導入されていることも多い)によって脱落させられるし、実力があれば必ず残れるわけでもない(ここはペーパーテストによる選別やスポーツなどとは明確に違う)。運も明暗を左右すること、評価の多元性があることによって先が読めない点が、視聴者をやきもきさせる――というものだ。

[PHOTO]iStock

一般的な物語や番組ではある程度ストーリーを積み重ねてからクライマックスに生死や進退をかけた戦いが来るところを、サバ番やデスゲームでは最序盤から参加者は厳しくジャッジされてクラス分けされ、あるいは死ぬ(脱落する)。この展開の早さと苛酷さ、競争の激しさ、エグさの合わせ技によって、参加者と視聴者の感情をアップダウンさせる点も共通している。

「人生をかけてミッションに挑んでいる」という情報が参加者の緊張感を高め、感情を揺さぶる。そして観る側にもその緊張や情動は伝染する。

一歩引いて客観的に見れば、やっていること自体はサバ番なら単に歌やダンスの練習であったり、『イカゲーム』なら「だるまさんがころんだ」や、地面に穴を掘ってその穴めがけて石を投げることを競う遊びだったりする。

練習や遊び自体にはそれほど人の心を動かす要素はない。

だが、そこに「人生最後の挑戦」「負けたら死ぬ」という情報が加わり、実際その場から去っていく/消えていく者を見せつけることで、視聴者側のミッションの参加者に対する感情移入の度合いは大きく変わる。

「人生」「生死」という情報を付加することで、実際に画面に映し出されている客観的な状況以上の緊迫感を視聴者に対して「底上げ」しているのが、デスゲームやサバ番の特徴だ。

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