財務省に騙されてはいけない
財務省の矢野康治事務次官が「文藝春秋」11月号に寄稿した記事が話題になっている。内容は、と言えば「財務次官、モノ申す『このままでは国家財政は破綻する』」というタイトルが示す通りである。騙されてはいけない。国家を破綻させるのは、財務省の改革抵抗・増税路線なのだ。
矢野氏は熱血漢の財政再建論者として知られている。といって、人の話に耳を傾けない唯我独尊のタイプでもない。私は新聞の論説委員時代、何度も食事をともにしたが、あるときは熱弁のあまり、途中から涙ながらに、生い立ちを語ってくれたりしたものだ。

ただし、その財政論はといえば、残念ながら、間違いだ。「現代ビジネス」サイトでは、高橋洋一さんが政府と日銀のバランスシート論と金融工学の観点から批判しているので、そちらは彼にお任せしよう(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/88204)。
ここでは、矢野氏の記述が不正確であるだけでなく「財務省こそが改革を拒んで膨大な財政債務を積み上げてきた元凶であり、かつ、実は日本が財政危機でもなんでもないことを知りながら、国民には隠蔽している」点を、証拠を挙げて指摘したい。