2021.10.19
# 日本株

バフェットがまとめ買いの5大総合商社、買い増し候補の勝者と敗者

上げ材料は資源食糧、下げ材料は…?
大原 浩 プロフィール

残るのは

さらに、三菱商事は優良な資源権益を保有してはいるものの、三菱グループ(自動車、重工、電機)の不祥事・トラブルがあとをたたないので不安だ。これだけ問題が続くのは、グループ内の構造的問題を抱えているからで、三菱商事も例外ではないと判断する。

また、住友商事は、住友第三代総理事鈴木馬左也によって1921年に言い渡された「商社設立禁止宣言」の影響で、戦後ようやく出来た総合商社である。「遅れてきた商社」と呼ばれていた時代があった。当然、資源権益も十分とは言えない。

その焦りもあってか、資源がらみのスキャンダル(住友商事銅不正取引巨額損失事件)などを過去ひき起こしている。また、通信・ITに強いが、この業種は6月7日公開「さらば『デフレ経済』…これから『伸びる日本企業』『消える日本企業』を全公開!」で述べた「デフレ型」であり、今後衰退すると考えられる。

そうすると、三井物産と丸紅が残るが、これからやってくる資源・エネルギー価格の高騰を考えれば、優良な資源権益を保有する三井物産が最後に残るかもしれない。

また、三井とトヨタは親密な関係にあり、5大総合商社に迫る豊田通商が事実上吸収したトーメンも、元々、三井物産の綿花部であった。三井財閥と日本を代表する製造業であるトヨタグループとの歴史的に良好な関係は大いにプラスだと考える。

丸紅はロッキード事件で有名だが、事件も風化しており現在その影響はないと考える。食糧関係に非常に強いので「伏兵」として注視すべきだと思う。今のところ、資源・エネルギー価格の高騰ばかりに注目が集まっているが、食糧・食料価格もかなり上昇しており、日本での小売価格への転嫁も始まっている。今後この動きはますます強まるであろう。

ただし、この見立てはあくまで私のものである。三井物産の前身は井上馨などが創業した貿易会社・先収会社であるが、バフェットは井上馨を知らないであろう。また、1万円札でおなじみの聖徳太子や福沢諭吉も聞いたことがないと思う。米国で50ドル札に描かれているユリシーズ・グラントに関する知識を我々が殆ど持たないのと同じである。

 

バフェットが、米国内の投資に集中するのにはいくつか理由があるが、ホームグラウンドである自国の企業と海外企業との情報格差もその一つだ。

だから、5大商社それぞれの個別・詳細にまで踏み込んで絞り込むかどうかは不明だが、たとえバスケット買いでも、全体として5大総合商社は買い増しする価値があると判断するのではないかと考える。そして、すでにそのアクションを始めているかもしれない。

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