2021.10.18
# 世界経済

インフレ&中国発不況-スーパー・スタグフレーションが襲ってくる!

今やバラマキも金融緩和も自殺行為
大原 浩 プロフィール

インフレで日本が勝ち組になる

8月30日公開の「インフレ経済突入で、今度こそ日本は『勝ち組』になるかもしれない」2ページ目の「人口減少もインフレを加速する」で述べたように、2つの大きな要因が日本のデフレを加速させた。

1. IT・インターネットの発達によるコスト削減(生産性向上)効果
2. 中国を中心とする新興国による「デフレの輸出」
 
である。1については「実体のないDX騒ぎ」が世の中に広がっており、ITの生産性向上によるデフレ効果のピークは過ぎたと判断している。

また、2についても10月4日公開の「中国恒大は前座!後に控えるリーマン級危機に世界は対処できるのか」、10月2日公開の「これは習近平の経済自爆戦術か、行き着く先は巨大な北朝鮮」で述べたように、今回の危機の震源地は共産主義中国になる公算が高く、「デフレの輸出」がストップするだろう。

そもそも、人件費は安いが資源・エネルギー効率が日本などと比較して極めて悪い中国大陸で生産することは、それらの価格が高騰する中でとても非効率・非合理になる。

前記「インフレ経済突入で、今度こそ日本は『勝ち組』になるかもしれない」の内容は、資源・エネルギー効率を武器にして対中国においても実現されるであろう。

これまではIT・インターネットの陰に隠れていたが、日本の強みは7月11日公開の「日本の『お家芸』製造業、じつはここへきて『圧倒的な世界1位』になっていた…!」などで繰り返し述べているように、製造業の他国を寄せ付けない高い水準の技術にある。

 

その技術は、「安物を粗製乱造して使い捨てるデフレ経済」から「良いものを長く使うインフレ経済」へ向かう中で「高品質で壊れない、メイド・イン・ジャパン」の復権につながるはずだ。

もちろん、第1次・第2次オイルショック以来磨き続きけてきた省エネ技術も、資源・エネルギー価格高騰の中で大いなるアドバンテージである。

関連記事