算数が得意な子どもに育てるために、親ができることは何なのか。幼少期の能力開発や、小学校時代の環境づくりのサポートに定評がある『幼児教室ひまわり』で講師を務める柴田希世美さんに話を聞いた。柴田さんは、私生活では2人の息子を東京大学に進学させた母であり、長男は小学生のときに、算数オリンピックで金メダルを獲得している。
柴田さんが息子さんを育てるうえで気をつけていたことを未就学児・小学校低学年・小学校高学年に分けてお伝えした前編【算数オリンピック金メダル→灘→東大を実現した親が、「幼少期の教育」で気をつけたこと】から続く後編です。
算数オリンピックと中学受験
算数オリンピックとは、毎年1回開催される、算数の思考力と独創性を競い合うイベント。学齢に応じた種目が用意され、小学生では、小学1~3年生対象のキッズBEE、小学5年生以下のジュニア算数オリンピック、主に小学6年生を対象とした算数オリンピックがある。柴田先生のお子さんが算数オリンピックに参加したのは、当時通っていた進学塾の先生から勧められたことがきっかけだった。
「算数オリンピックを推奨している塾だったので、小学5年生のときに『みんなでジュニア算数オリンピックを受けてみよう』という感じになって。我が家はそのときに初めて算数オリンピックのことを知ったくらいで、特に準備することもなく、当日ふつうに参加したんです。結果は、トライアルは通過したものの、ファイナルはダメでした。でも、本人は悔しかったんでしょうね。そこで、また来年がんばろうという気持ちになったみたいです」

翌年、小学6年生で参加した算数オリンピックで見事1位に。といっても、特に算数オリンピック用の勉強をしたことはなかったそうだ。「塾では灘クラスにいたので、通常の授業で習う算数の問題がかなり難しいんです。そこをひとつひとつ、いわゆる捨て問といわれるような超難問も含めて、取りこぼしのないように、自分の中でしっかり理解しながら勉強したことが、結果的に算数オリンピックの問題にも結びついたのかなと思います」