日本がいよいよ「貧しい国」になってきた…! この国を「貧乏」にしている“本当の原因”

加谷 珪一 プロフィール

資源価格・資材価格高騰の直接的な原因は、コロナ後の景気回復期待による需要の急拡大だが、背景にはもっと複雑な事情がある。

全世界的な経済成長によって途上国の生活水準が上がっており、数年前から資材の争奪戦ともいえる状況が続いてきた。各企業は旺盛な需要に対応するため、全世界にサプライチェーンを拡大してきたが、コロナ危機によって調達網がズタズタになってしまい、思うように資材が調達できなくなった。

加えて各企業は、コロナ危機をきっかけに従来型の巨大なサプライチェーンについてリスク要因と見なすようになっており、規模の縮小と近隣調達化を進めている。多少、価格が高くてもリスクの低い地域からの調達を優先するので、どうしても価格は上がってしまう。

こうしたところに、アフターコロナ社会ではAI(人工知能)化が一気に進むとの予想が出てきたことから、各社がIT投資を前倒しで実施。これによって半導体も逼迫し、何もかもが品薄で価格が上がるという、ある種の異常事態となっている。

〔PHOTO〕iStock
 

物価高と円安のダブルパンチ

日本は過去30年間、ほとんど経済成長できておらず、実質賃金はむしろ下がり続けてきた。一方、諸外国は同じ期間で経済規模を1.5倍から2倍に拡大させており、賃金や物価もそれに伴って上昇している。

為替レートはあまり動いていなくても、日本の物価が横ばいで、海外の物価が上昇すれば、為替が安くなったことと同じ効果が発生する(例えば1ドル=100円で、海外から2ドルの商品を輸入すれば、日本人は200円を支払う必要があるが、海外の商品が3ドルに値上げされれば、為替レートが同じでも300円払わないと同じ商品を購入できない)。

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