2021.10.21
# 不動産

2億円で”投資物件”を買い「ローン地獄」に陥った、エリートサラリーマンの悲劇

FIREは夢のまた夢

不動産投資に注目が集まっている

最近いたる所で『FIRE』という文字を目にします。そもそもFIREというのは、どういう意味なのでしょう。

Wikipediaによると、「Financial Independence,Retire Early movement」。つまり経済的自立と早期退職を目標とするライフスタイルを啓蒙するムーブメントとのこと。

金利の低さや給与の低迷、終身雇用制の崩壊や年金受給の引き下げ、加えて人生100年時代と老後2000万円問題も相まって、頼れるのは会社や国ではなく、自分で資産を増やそうという結論なのでしょう。

なかでも「不動産投資こそFIREへの近道」「FIRE達成には不動産投資を活用すべし」と、不動産投資熱が上がっています。

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新宿のある不動産会社では、「20代のワンルーム不動産投資が増えました。お問合せもかなりあります。供給できる物件が足りないくらいです」と、営業マンは忙しそうです。

不動産投資をする20代は、特別に年収が多いわけではなく、一般的なサラリーマンと言います。その状態で借入をしての不動産投資って、怖くないのでしょうか。

営業マンは「物件を購入さえできれば、借金はしていますがローンの支払いは賃借人の賃料から。賃借人が自分の借金を返済してくれるのですから、これ以上の安心ってありますか?」と満面の笑み。確かにそう聞けば、納得してしまいそうになります。

しかし私は常日頃、賃貸トラブルの訴訟案件を多く受任しているので、この笑みに強く違和感を抱きました。

本当に不動産投資は、それほど簡単で安全なものなのでしょうか。

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